ITベンチャー勤務営業マンブログ

大手IT企業→ベンチャーに飛び込んだ営業マンが仕事の話とか、最近の気になるニュースや業界を深掘りします。

サイバーエージェントはめちゃくちゃリスクを賭けて、Abema TVに投資していた話

続きの記事も書きました。

tadatomo2711.hatenablog.com

 

今日は、日本を代表するベンチャー企業サイバーエージェント」が実は、どでかい爆弾を抱えながら、「ギリギリの瀬戸際で戦ってた」って話をしたいと思います。

 

参考にした資料は、1月発表の決算資料です。

http://pdf.cyberagent.co.jp/C4751/Wc5N/rHh7/pOo3.pdf

 

アジェンダ

①そもそもサイバーエージェントのメイン事業って何?

②今、Abema TVにどのくらい投資してるの?

③Abemaがこけたら、マジでやばいって思う理由

 

で話したいと思います。

 

サイバーエージェントのメイン事業について

サイバーエージェントは現在、3つの大きな柱で事業が成り立っています。

第一の柱:広告代理店事業

特にサイバーエージェントはインターネット専業の

広告代理店でスマホ広告に強みを持っています。

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売上も上記スライドで分かるとおり、右肩のぼりに伸びている事業になります。

また、今後はアプリのタイムライン上に表示される「インフィード広告」や2017年以降伸びるといわれている「動画広告」に注力すると発表しており正に磐石且つ安定成長が見込める事業です。

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▼インフィード広告の市場規模とCAのシェアを示した図

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▼動画広告の市場規模とCAのシェアを示した図

⇒シェアを大幅に伸ばしてきており、今後も注力していくことが期待されます

 
第二の柱:ゲーム事業

第二の柱は急激に成長を続けているゲーム事業です

 

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4年間売上高291億⇒1224億と4倍以上伸ばしています(2012年~2016年で比較)

また、営業利益率が広告代理店事業に比べて、高いこともゲーム事業の特徴になります。

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▼上の図を見ると分かるとおり、広告代理店事業の方が売上高は高いですが営業利益で見ると、ゲーム事業の方が高いことが分かります。

 これでも、YonYで27%減ということからも、ゲーム事業の営業利益率の高さが伺えます。

 

第三の柱:メディア事業

第三の柱は、メディア事業です。Abema TVもメディア事業部に含まれます

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▼売り上げについては、現状、ほぼ横ばいで推移しています。

 細かい売上の内訳は記載がありませんでしたが、ほとんどAmeba(ブログ)とSpotlight等のキュレーションメディアでの売上だと思います。

 

以上、3つがCAのメイン事業となります。

今どれくらい投資しているか?

サイバーエージェントはAbema TVに年間200億円の投資を発表しています。

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これがどのくらいの規模かというと2016年度のCAの営業利益は367億円になりますので

半分以上の54.5%に相当します。

新しい柱を作るために、ここまでの投資を上場企業で実施できるのは流石だなと感心するところです。

それでは、ここから本題いきましょう

Abemaがこけたら、マジでやばいって思う理由

他の事業で稼ぎまくってるから、Abemaがこけても大丈夫でしょう!と思う方も

いると思いますが、今CAは主要事業で巨大な爆弾を抱えています。

それが、「ゲーム事業」です。

ゲーム事業がヤバイと感じる2つの爆弾

マジでヤバイと思われる理由1つ目が「市場規模の成長鈍化」です。

下記、ニュースにあるとおり、CAのゲーム事業はスマホの普及と市場の成長と共に急速に規模を伸ばしてきました。

www.rbbtoday.com

 

しかし、記事にもある通り、今後は大きな市場規模の拡大は見込めないことが

分かっています。

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今までは、市場の成長と共に事業を拡大していくことが出来ましたが今後は「決められた規模の中でのシェア拡大」が求められてきます。

先ほど、ゲーム事業の営業利益がYonYで27%減となったのも、販促費を増やしたことが要因として下記に記載されておりました。

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また、ゲーム事業がマジでヤバイと思われる理由2つ目が「コナミ任天堂スマホゲーム本格参入」したことです。

上記2社は、今までスマホゲーム市場に本格参入する気配がありませんでしたが、2016年度に大きくスマホ市場へ大きく振り切る方向性を発表しました。

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コナミはパワサカやウイイレ遊戯王など2016年に家庭用ゲームの有料コンテンツをスマホゲーム化しています。

参考資料:https://www.konami.com/ir/ja/ir-data/meeting/2017/ja0131_yga4yb.pdf

 

併せて、任天堂についても2016年度「ポケモンGO」、「スーパーマリオラン」を

リリースし、2017年度に動物の森やファイアーエンブレムをリリースすることを

発表しています。

app.famitsu.com

 

CAは今後、こういった家庭用ゲームの覇者たちと戦っていかねばならず

市場が伸びない中で、シェアの奪い合いの消耗戦になってしまうことが

考えられます。

以上から、CAのゲーム事業は今後危ないなという事と、併せて稼ぎ頭を失った状態でAbemaまでこけたらマジでヤバイと思ったわけです。

 

今後は、

「Abema TVがブーストできたらどのくらい稼げそうか?」

「直近27日の決算のレビュー」

を行っていけたらと思います。

 

ありがとうございました。