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Yahoo! JAPANの決算発表から見る今後の成長可能性と懸念点

ヤフー株式会社が2017/4/27(木)に通期の決算発表をしました。

こちらを見て、Yahoo! JAPANのポジティブポイント・ネガティブポイントを

さくっとまとめたいと思います。

↓↓下記の資料を参考にしました↓↓

決算説明会資料 - IRアーカイブス - IR情報 - ヤフー株式会社

 

ブログの内容は下記の通りとなります。

1.決算発表の概要

2.決算から見る各サービスの状況

3.決算から見るYahoo! JAPANのネガティブポイント

 

 

1.決算発表の概要

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▼通期で見ると、売上高が8,537億円(前年比30.9%増)、営業利益14.6%減)となりました。売上が大きく伸びた要因はは、アスクルの買収の影響ですね。一方で営業利益については①アスクル買収の特別益、②アスクルの火災による損害の影響を受けて、20期目で初の減益となってしまいました。今まで、増益を守り続けてきましたが、遂に神話が崩れてしまったのは非常に残念です。

 

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また、第4四半期のみに絞った、ハイライトは上記の通りで、営業利益が大幅に増えています。これは、前年の第4四半期に掛けていた販促費を今期は絞ったことが大きく影響しているように考えられます。下記参照の通り、前年比で60億円も販促費を減らしているため、営業利益については、大幅な成長が実現できたと考えられます。

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次にサービス別の概要を見ていきたいと思います。

2.決算から見る各サービスの状況

①広告事業について

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広告売上は、Yahoo!のトップページ右に代表されるディスプレイ型広告と検索結果にテキストで表示される検索連動型広告が共に堅調な成長を果たし、9.6%の増収でした。

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特に、検索結果連動のテキスト広告については、PCの利用減に伴いマイナス成長を続けていましたが、直近での機能改善でプラス成長に再度軌道を乗せるができました。主流ではなくなってきているとはいえ、まだまだヤフーの広告売上の半分近いシェアを稼いでいるプロダクトなので再成長を果たせたのは非常に大きいと思います。

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併せてスマホ広告についても、前年比30%以上で伸び続けているのは流石としか言いようがありません。この規模で30%以上の成長を続けられるところは圧倒的なユーザー数を誇るYahoo! JAPANの強みもいえると思います。

①ショッピング事業について

続いて、ショッピング事業についてです

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出店料無料、システム利用料無料のEコマース革命の蒔いた種がいよいよ芽生え始めました。前年比21.4%増で成長しています。LOHACOの火災があって、取扱高をかなり落とした中でも、これだけの高成長を続けたのは、凄いと思います。

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更に、今後もTポイントやソフトバンク・Yモバイルとの連携を武器に前年比30%増を発表しているので、ショッピング事業については今後も非常に期待が持てるのではないでしょうか。

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しかし取扱高が増えても、売上が上がらないとどうしようもありません。そこについても磐石で、取扱高が21%成長に対して、売上は2倍に成長しています。現状だと、売上に対する取扱高の割合が約4%ですが、Amazonは10%ですし、まだまだ成長の余地を残しているように見て取れます。

3.決算から見るYahoo! JAPANのネガティブポイント

そんなまだまだ成長余地を残しているように見えるYahoo! JAPANですが、個人的にヤバイ爆弾を幾つか抱えているように見て取れます。

①PC広告の衰退がヤバイ

決算では全く触れられていませんが、スマホ成長の影でPC広告の売上の衰退が著しいです。2013年の第4四半期以降のの売上を基に具体的に計算したのが下記の通りになります。

2013年度第4四半期:PC売上469億円

2014年度第4四半期PC売上445億円(5.1%減)

2015年度第4四半期PC売上401億円(9.9%減)

2016年度第4四半期PC売上369億円(8.0%減)

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スマホ広告が直近で売上の半分を超えたとはいえ、PC広告がいまだに半分のシェアを占めているからこそ 、売上の10%減は非常に大きいと思われます。スマホの成長を帳消しにしないくらいの成長率に戻すことは急務にしなければ、今後の広告事業での成長は難しそうです。

②プレミアム会員費用がヤバイ

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Yahoo!の収入源になっているYahoo!プレミアム会員費(月額462円)がソフトバンクユーザーは無料になる施策を発表いたしました。現在は非開示ですが、2015年3月時点で1,077万人いるとされているYahoo!プレミアム会員。売上に換算すると

462×12×10,770,000=597億円ものお金が自動で入ってくるYahoo! JAPANの稼ぎ頭になっています。これが、ソフトバンクユーザーについては無料になる??ということは、3キャリアが同シェアだと仮定すると、単純に年間200億円の売上と利益損失担ってしまう計算になります。個人的にはこれはショッピングの成長を補填できるほどの影響があるのか疑問です。

ヤフオクがヤバイ

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ヤフオクの取扱高が直近でほとんど伸びなくなっています。Yahoo!チケット等サービス系ECについては、2桁成長を続けているであろう事を考えると、ヤフオク単体はメルカリの影響を受けて、0%成長もしくはマイナス成長しているんじゃないかって思います。どう、メルカリからシェアを取り返していくのかも今後のポイントになってきそうです。

 

週休3日制などいろいろなところで注目されるYahoo! JAPANですが、今後は動画広告も始まりますし、引き続きウォッチしていきたいと思います。

それでは、記事を見てくれてありがとうございました!